福岡市の税理士(医療税務・開業支援)
グラント税理士事務所
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従業員へ給与を支払うときは、一定の金額以上であれば所得税を差し引かなければなりません。
これは当たり前のことですが、院外の人へお金を払うときも所得税を差し引かなければならないときがあります。
ここでは、外部の人に報酬を支払った場合の源泉徴収制度についてご紹介させていただきます。
医療機関には様々な人が出入りします
院外関係者への報酬からも
所得税を差し引く必要があります!
そもそも所得税を差し引く源泉徴収制度とはどんなものなのでしょうか。
源泉徴収制度とは、所得を支払う者が所得税を徴収して納付する制度のこと。
所得の支払者とは、事業所である医療機関のことです。
つまり、医療機関が所得税を納付する義務がある者の代わりに所得税を納付してあげる制度です。
この制度ができた理由は、所得税の確実な徴収を確保するため。
つまり、事業者が所得を支払うときに所得税を徴収することで、所得税をとりっぱぐれないようにしているのです。
従業員に支払う給与はもちろん所得税の源泉徴収を行いますが、ここからは医療機関内の人ではなく医療機関外の人が対象です。
医療機関内の従業員に労務の対価としてお金を支払う場合は「給与」扱いになりますが、
医療機関外の人にお金を支払うようなときは「報酬・料金」となります。
報酬・料金に該当するものとして、具体的には以下のようなものがあります。
これらの報酬・料金は、所得税法により限定列挙されていて、該当するものは源泉徴収をしなければなりません。
例えば、税理士に対して支払った報酬は、源泉徴収対象となる報酬なので、一定の率に基づいた源泉徴収を行わなければなりません。
このほか医療機関で発生する可能性のある報酬には、以下のようなものがあります。
院内研修で、講師に支払う報酬は「講演料」になります。
メイクアップアーティストに支払う報酬は「技芸、スポーツ、知識等の教授・指導料」。
医療コンサルタントに支払う報酬は「企業診断員の業務に関する報酬・料金」に該当。
院内の広報を目的に行われた論文コンテストやコピーライターに支払った報酬は「原稿料」となり、いずれの報酬からも、所得税を源泉徴収をしなければなりません。
報酬・料金から源泉徴収をする際はどのようにすればよいのでしょうか。
計算自体はシンプルで、支払った報酬の額に一定の税率を掛けて、その金額を差し引くだけです。
そして、源泉徴収をする税率は、ほとんどの場合で10.21%(復興特別所得税を含む)となっています。
ただし、1人につき1回に支払われる金額が100万円を超える場合は、100万円を超える部分について
20.42%(復興特別所得税を含む)の税率が適用されます。
また、支払金額から一定の控除を行った残額に対して税率をかけるものもあります。
報酬の種類によって、税率が若干ととなっているので注意しましょう。
以下、国税庁の参考ホームページをリンクしています。
【参考】国税庁 居住者に支払う報酬・料金に対する源泉徴収
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/aramashi2009/data/05/index.htm
具体的な計算式です。
例えば、税理士の報酬が200,000円の場合には、
となり、179,580円が税理士に支払う手取金額です。
報酬から控除をした所得税は、従業員の給与を同様に、支払った月の翌月10日までに納付を行います。
次に、消費税がある場合はどのように取り扱えばよいのでしょうか。
源泉徴収の対象となる金額は、原則として消費税を含めた金額です。
ただし、例外があり、
「報酬・料金を受ける者からの請求書等において消費税の額が明確に区分されている場合は、その消費税を除いた金額で源泉徴収をしても差し支えない」
ということになっています。
例えば、税理士の報酬が200,000円で消費税が1,600円である場合。
税理士報酬の請求書で、消費税の金額が明確に区分されていれば、消費税を除いた200,000円に対して源泉徴収を行うことができます。
いかがでしたでしょうか。
今回は、あまり知られていない源泉徴収制度についてご紹介しました。
みなさまの医院経営にこのコラムをぜひ役立ててくださいね。
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