医療専門税理士がこっそり教える医療機関の税務調査

医療専門税理士がこっそり教える医療機関の税務調査

医療機関は、たくさんの監査や調査を受けます。

その中でも、税務署から受ける税務調査は怖いイメージがありますよね。

しかし、どういったところをチェックされるかを知っておけば、心構えができます。

今回は、そんな医療機関の税務調査についてご紹介します。

自費診療がポイント

医療機関の税務調査ポイントをおさえておきましょう!

税務調査の流れ

まず、税務調査はどのような流れで行われるのかご紹介します。

税務調査は、税務署からの電話から始まります。

税務署からの電話は、関与税理士がいる場合にはその税理士に、関与税理士がいない場合は原則として電話がかかってきます。

その電話では、税務署から税務調査にかかる「事前通知」が行われます。

「事前通知」とは、調査の目的や対象となる税目(法人税、所得税など)、対象となる期間や準備を行う書類についての説明のことです。

その際に、合わせて調査を受ける日程や期間も決定します。

調査の期間としては、通常のクリニックであれば2日間が一般的です。

次に、調査当日の流れは、1日目の午前中くらいに、理事長先生や院長先生に対する事業のヒアリングを行なわれます。

しかし、午前中の診療がある場合には、昼休みや午後の休診時間にヒアリングが行われます。

ヒアリングが終わると、1日目の午後から帳簿の調査が開始されます。

そして、最終日に理事長先生へ調査結果の公表があり、クリニックでの実地調査が終わります。

この後は、最終的な税務調査結果確定に向け、電話などで税務署と交渉を行います。

調査を受けるポイント

医療機関での税務調査では、一般的に「自費診療」が重点的にみられます。

社会保険診療に関しては、レセプトや診療報酬の通知書により、総点数によって集計ができるため把握することが簡単です。

しかし、自費診療に関しては、現金取引が多く集計が漏れてしまう可能性が高いのです。

そのほかにも、外部からの振り込み、例えば、医師会から振り込まれる報酬や、医療機器メーカーからの報酬が事業外の口座に振り込まれていないかがチェックされます。

また、よく見られる指摘に「未収金の売上計上もれ」があります。

医療機関では、原則として「患者さんに診療をしたとき」を基準に売上を計上する必要があります。

例えば、患者さんに診療をして、お金をもらわずに決算日をまたがってしまった場合、その患者さんにかかる売上は診療日に計上しておかなければなりません。

これを誤って、後日患者さんが未収金を窓口に持ってきたときなどに売上計上してしまうと、前期決算において計上もれが発生してしまいます。

この未収金の管理は、税務調査においてよく見られるところなので、注意をしておきましょう。

また、税務調査の対象となる物品には、プライベートな私物も含まれるのでしょうか。

国税庁のホームページにある納税者向けのFAQ問7に

対象となる帳簿書類等が私物である場合には求めを断ることができますか。

という質問があります。

その答えをして、

例えば、法人税の調査において、その法人の代表者名義の個人預金について事業関連性が疑われる場合にその通帳の提示・提出を求めることは、法令上認められた質問検査等の範囲に含まれるものと考えられます。

と記載がされています。

よって、あくまでも事業関連性が疑われる場合には、私物も見せなくてはいけないこととされています。

しかし、単に「私物を見せてください」と言われた時には、それがどのように事業に関連しているかを確認するとよいでしょう。

この税務調査の対象となる物には、カルテも含まれるとされています。

これは、納税者向けのFAQ問8に

『医師、弁護士のように職業上の守秘義務が課されている場合や宗教法人のように個人の信教に関する情報を保有している場合、業務上の秘密に関する帳簿書類等の提示・提出を拒むことはできますか』

と書かれており、その答えとして

『調査担当者は、調査について必要があると判断した場合には、業務上の秘密に関する帳簿書類等であっても、納税者の方の理解と協力の下、その承諾を得て、そのような帳簿書類等を提示・提出いただく場合があります。』

と記載されています。

よって、提出を依頼されている資料が、税務調査においてなぜ必要なのかを確認するとよいでしょう。

診療科ごとの調査方法

ここからは、各診療科目において、こんな調査方法があるんだ!という例をご紹介いたします。

参考にしてみてください。

  確認されるもの 何を見られている?

内科

医薬品メーカとの契約書 治験の報酬もれ
小児科

市町村からの振込通知

乳児への予防接種、検診、診断書や学校検診の収入もれ

整形外科

自賠責、労災の通知書

後日入金分の未収金が計上もれ

診察日を基準に売上計上されているか

眼科 コンタクトレンズの診察、販売記録

コンタクトレンズ収入の売上計上もれ

(クリニックとMS法人どちらで計上されているか)

皮膚科 自費診療の記録

レーザー治療やプラセンタ治療、美容診療の売上計上もれ

産婦人科 麻酔薬の使用量 人工中絶手術(アウス)の売上計上もれ
入院あり 入院患者さんの診察記録

差額ベット料金、テレビ料金、コインランドリー料金、

自動販売機収入などの売上計上もれ

いかがでしたでしょうか。

医療機関は、監査や調査が多くて大変です。

調査がないにこしたことはないですが、心構えはしておくとよいでしょう。

みなさまの医院経営にこのコラムをぜひ役立ててください。

 

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