税理士も知らない!?印紙税の知識

税理士も知らない!?印紙税の知識

税金は種類が多くて、メジャーなものからマイナーなものまであります。

その中に重要だけど、あまり知られていない「印紙税」というものがあります。

印紙税は、マイナーだけど税務調査で指摘されると、大きなペナルティが発生することがあります。

今回は、重要だけどあまり知られていない印紙税について紹介します。

印紙税のポイントは文書の中身

医療機関での診療に印紙税は課されません。
ただし、不動産の売買をしたときなどは要注意です!

印紙税とはどんな税金?

高い買い物をしたときなど、印紙が貼られた領収書を見たことがある人は多いのではないでしょうか?

印紙税とは、「課税文書」を作成したときに課される税金です。

課税文書」とは、印紙税の課税がされる文書のことで、国税庁が出している印紙税額一覧表に載っているものをいいます。

課税文書の種類は20種類あって、よくあるケースでは「不動産を売却する場合」場合に、印紙が必要になります。

また、電化製品などの高い物品を購入するときにも、印紙が貼られた領収書をもらうケースが多いと思います。

これは、50,000円以上の電化製品購入を行うと、領収書が課税文書の中の「売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書」に該当するためです。

なぜこんな税金がかかるのでしょうか?

印紙税が存在する理由は、印紙を貼るような取引は規模の大きな取引が多く、そこには税金を納める力があるだろうという考えからきています。

確かに、不動産売買や50,000円以上のものを売ったときには税金を納める力があるような気がしますね。

なので、税金を納める力がない小さな物品の売買には、印紙税を課さないという非課税規定も用意されています。

また、よくある誤りとして「契約書にしか印紙税はかからない」というものがあります。

しかし、印紙税に関しては「タイトルに関係なく、文書に課税事項が書いているかどうか」をもとに課税がされます。

なので、タイトルが「覚書」や「合意書」であっても、書いてある文書の内容が課税文書になっていれば、課税がされます。

あくまで、その「文書の中身」だけで判定がされるので要注意です。

医療機関に印紙税はかかるのか?

果たして医療機関に印紙税はかかるのでしょうか?

医療機関において、印紙を貼る可能性がある取引は、高額な自費診療を行った場合が考えられます。

医院で人間ドックや高額な自費診療を行った場合、医院側は印紙を貼らなければいけないのでしょうか?

答えは・・「印紙を貼らなくてもよい」です。

印紙税の世界では「営業者間取引」について課税をすることとしています。

しかし、医療機関が行う行為に関しては、「営業」にはあたらないため、印紙税を課さないこととされているのです。

確かに医療法人は非営利的な組織として位置づけられていますので、医療行為は「営業」ではないというのは納得ですね。

印紙税を払わないときのペナルティ

印紙税を払わなかった場合は、その内容により、以下の3パターンのペナルティが用意されています。

  • (1)印紙税を貼ってはいるが消印をしていない
  • (2)印紙税を貼っていないことに気づき、自主的に納付した
  • (3)納付を忘れている

まず、1つ目に「印紙税を貼ってはいるが消印をしていない」場合には、納付すべき印紙税×1倍過怠税(ペナルティのこと)が課されます。

印紙は、貼っただけでは納付したことにならず、割印などで消印をしなければなりません。

2つ目に「印紙税を貼っていないが、自主的に納付した場合」には、納付すべき印紙税×1.1倍の過怠税が課されます

3つめに、「納付を忘れている場合」は、納付すべき印紙税×3倍の過怠税を納付しなければなりません。

さらに、この過怠税に関しては、税金の計算上経費にできないため、法人税や所得税の部分まで増えてしまいます。

最後に、印紙税について2つの節税策をご紹介いたします。

  • (1)コピーには印紙税を貼らない
  • (2)消費税を文書へ明確に記載する

1つ目は「コピーには印紙税を貼らない」という手法です。

契約書を一部作成して、契約者の一人が原本を保管して、もう一方はコピーを保管することにします。

すると、ここでかかる印紙税は原本である1通分のみとなります。

コピーには、改めて印紙を貼る必要がないのです。

しかし、コピーに記名押印をするなど何らかの手を加えてしまうと印紙税がかかってしまいますので、注意をしてください。

2つ目は、1号文書(不動産の譲渡等に関する契約書等)、2号文書(請負に関する契約書)、17号文書(売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書)に関するものです。

この2つの文書では、売買契約や請負契約の契約金額を記載する必要があり、その契約金額の大きさに応じて印紙税の大きくなります。

この契約金額について、「消費税を明確に」記載していれば税抜金額で印紙税を貼ることができます。

例えば、「不動産の売買金額1,080万円のうち消費税額等は80万円」と記載しておけば、

1,080万円から80万円を差し引いた税抜金額1,000万円をもとに印紙税を貼ればよいのです。

1,000万円の契約金額に対する印紙税は、5,000円です。

一方、消費税の記載を明確にしていなければ、税込金額の1,080万円をもとに印紙を貼らなければなりません。

1,080万円の契約金額に対する印紙税は、10,000円です。

いかがでしたでしょうか。

今回はあまり知られていない印紙税についてご紹介しました。

印紙税は、あまりメジャーではないため税理士自体も詳しくないことが多いです。

しかし、文書の内容に対して課税がされるため、今まで印紙を貼っていなかった文書が、税務調査で指摘された場合には、大きなペナルティが発生します。

このコラムを医院経営へぜひ役立ててくださいね。

 

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